ユニフォームの色とナショナルカラーの関連性
ナショナルカラーはローマ時代に国の名誉を色で表現する風習が発端とされています。近代では国旗の色に国の歴史や建国の精神を表していることが多く、国際スポーツなどにおいて多くのチームカラーは国旗色が使われています。
日本の国旗は太陽をイメージした白地に赤丸といったシンプルなデザインなので、外国の人々もわかりやすいようです。色の意味は白色が神聖と純潔、赤色が博愛と活力を表しています。
チームカラーとナショナルカラーへのこだわりが強い国は、競技を問わずナショナルカラーで統一している国もあるほどです。
日本はそれぞれの競技でチームカラーが分けられていて、各スポーツにおける国際連盟にそれぞれのスポーツ連盟が登録しています。サッカー日本代表は青色、野球はグレー、そしてバレーボールは黒色を登録しています。バレーボールが登録している黒色は、自信と威厳の意味を持ちます。
ナショナルチームのユニフォームは国のイメージカラー
バレーボール日本代表は男子が「龍神NIPPON」、女子は「火の鳥NIPPON」の愛称を持っています。手掛けたメーカーやデザインは異なりますが、国旗色の赤色と白色に「自信と威厳」の意味を持つ「黒色」をプラスした3色をベースとしています。
国旗色をベースにしたユニフォーム
ブラジルのユニフォームも国旗の緑色、黄色、青色のナショナルカラーである「カナリアイエロー」がベースになっています。国旗の緑色は熱帯雨林やブラジル高原の森林、黄色は黄金などの鉱物資源の象徴とされていて、青色で地球が描かれています。
サッカーブラジル代表は「カナリア軍団」と呼ばれていますが、ポルトガル語でカナリアという発音に似た「バカ者集団」という意味の「カナーリャ」という単語があり、ブラジル人にとっては屈辱的な呼び方となるようです
ロシアのナショナルチームも国旗の白色、青色、赤色をベースに作られています。3色の意味は公式の解釈は存在していませんが、民間の間では様々な説があります。中でも白色は高貴と開放、青色は誠実と純潔、赤色は勇気と寛大と愛の象徴という説が人気のようです。
バレーボールのナショナルチームのユニフォームは国のイメージカラーが使用されているので、国旗と見比べてみると面白いですね。
大半のナショナルチームが国旗の色をチームカラーとしていますが、中には国旗の色とチームカラーは全く関係ないチームも存在します。
国旗色と無関係なユニフォーム
オランダは国旗の色と全く関係のないオレンジ色をベースにしたユニフォームです。現在の国旗とは無関係ですが、オレンジ色は旧国家時の国旗の色であり、スペインとの独立戦争で指揮をとったオランダ王家の色なのです。
イタリアも国旗の緑色、白色、赤色のトリコロールと関係のない青色をベースにしたユニフォームを着用しています。理由は統一国家として独立をしてから共和制になるまでの85年間、イタリアは王制国家でした。その時代に王座として君臨していたのが、トリノのサヴォイア家であり、青色はそのサヴォイア家のシンボルカラーだったことが理由のようです。
ユニフォームの色の規定
バレーボールのユニフォームの色の規定は大会の規模や地域によって多少の違いはありますが、基本的な規定は同じです。ユニフォーム規定を見るとバレーボールのユニフォームの規定は、他のスポーツに比べて細かく記されていることが分かります。
原則としてユニフォームの色は上下ともチームで統一が決まりですが、小さな大会では上半身のユニフォームを統一すれば良いという大会もあります。
対戦するチーム同士のユニフォームの色が被った時は、審判がジャッジをしずらくなるのでホームチームがユニフォームを変える規定になっています。
どのチームも属さない会場での試合の場合は、プログラムに記載されている順番が先のチームが変える規定となっています。
1人だけ色の違うユニフォームを着ている選手
バレーボールには守備専門のリベロというポジションがあります。リベロプレイヤーは特殊なポジションで、ネットより高い位置の攻撃プレーやブロックはできません。サーブも打てません。リベロがフロントゾーンでトスをあげて攻撃に繋げると反則になります。リベロはレシーブのスペシャリストなのです。
そして、通常の選手交代の数には入らないため、後衛の選手となら誰とでも何度でも交代が可能です。このようにリベロはプレーの規定が異なるため、主審が見分けられるようにユニフォームの色を変えないといけない規定があります。
バレーボールユニフォームの色には、様々な意味や役割があります。ユニフォームの規定が細かいのにも、明確な理由が背景にあることも理解できたでしょうか?
ユニフォームの色でチームカラーの背景や歴史などにも目を向けることができます。